SNKプレイモアは、これまでパチスロ業界において一定のシェアを獲得してきましたが、近年の市場環境の変化を受け、2015年にパチスロ事業からの撤退を決定しました。
パチスロ事業からの撤退に際し、現在市場に流通している製品のアフターサービスを継続すると発表しています。
これにより、既存のユーザーに対するサポートを維持し、業界への影響を最小限にとどめることを目指しています。
SNKプレイモア パチスロ事業撤退の理由とは

SNKプレイモアがパチスロ事業から撤退した具体的な理由は、以下の2つです。
遊技人口の減少

近年、パチスロを含む遊技業界全体で利用者数が減少しています。
これは、若者のギャンブル離れや娯楽の多様化などが影響しています。このような市場縮小の傾向により、パチスロ事業の将来性が不透明となりました。
規制の強化

依存症対策の一環として、パチスロ機に対する規制が厳しくなっています。
具体的には、出玉(ユーザーが獲得できる賞金)の制限が強化され、新しい基準の機種への移行が求められています。
これにより、従来のゲーム性が損なわれ、ユーザーの満足度低下や市場の縮小が進行しました。
これらの要因が重なり、SNKプレイモアはパチスロ事業から撤退し、ゲーム事業やライセンス事業に経営資源を集中させる決断を下しました。
こうした状況の中、SNKプレイモアは「今後の市場環境を考慮した結果、パチスロ事業の将来性を慎重に検討したうえで撤退を決定した」と発表しました。
SNKplaymore 今後の事業戦略
SNKプレイモアは、パチスロ事業撤退後、ゲーム事業とライセンス事業へと経営資源を集中する方針を明らかにています。
ゲーム事業
ゲーム事業では、これまで培ってきたアーケードゲームやコンシューマーゲームの開発ノウハウを活かし、スマートフォンゲームおよび家庭用ゲーム市場への本格参入を図ります。
スマートフォンゲームでは、現在20以上のタイトルを配信しており、特に「メタルスラッグ ディフェンス」は全世界で2,600万ダウンロードを突破。
今後は、グループ会社である中国の大手ゲーム企業Ledo社と技術提携を進め、同社の高度な開発・運営ノウハウを活用することで、新たなヒット作の創出を目指す予定です。
またコンシューマゲームでは、2011年以来の新作となるPlayStation®4専用ソフト「THE KING OF FIGHTERS XIV」を2016年に発売し、今後も継続的に新作タイトルを開発するため、開発チームの増員をしていく。
ライセンス事業
ライセンス事業では、自社のIP(知的財産)を活用したコンテンツ展開を強化し、国内外のパートナー企業と協力してグッズ販売やアニメ化、映画化といった多角的な事業展開を進めていく考え。
特に中国市場における同社IPの人気は高く、Ledo社に許諾したスマートフォンゲーム「拳皇97OL」や、OURPALM社に許諾した「拳皇98终极之战OL」が、アプリストアの上位にランクインするなど好調な成績を収めているため、今後はさらに中国市場におけるライセンスビジネスの拡大を視野に入れ、現地企業との協業を積極的に推進していく。
パチスロ事業
昨今の遊技人口の減少や遊技機の規制変更に加え、パチスロ市場の先行きが不透明であることを踏まえ、現状の市場環境では事業の将来性を見出すことが困難であると判断した。
SNKプレイモア パチスロ事業の撤退事情のまとめ
SNKプレイモアは、厳しい市場環境を踏まえ、パチスロ事業からの撤退を決断しました。しかし、その一方で、ゲーム事業とライセンス事業に経営資源を集中し、家庭用ゲーム市場や中国市場での成長を目指す姿勢を明確にしています。
この大きな転換点を迎えたSNKプレイモアが、今後どのような戦略を展開していくのか、引き続き注目が集まります。
出典:http://www.snkplaymore.co.jp/pdf/151102_01.pdf